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宗議会(臨時会)の決議及び建議の可決について

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2012.02.27

2月23日に招集されました宗議会(臨時会)において、「すべての原発の運転停止と廃炉を通して、原子力発電に依存しない社会の実現を求める決議」及び「東日本大震災に関し、継続的な支援施策を求める建議」が全会一致で可決されました。

 

 

すべての原発の運転停止と廃炉を通して、原子力発電に依存しない社会の実現を求める決議

 

 

2011年3月11日に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故では、原発の周辺はもとより、広い範囲に放射能汚染が拡がり、多くの人々が故郷や家族、仕事という生活基盤を奪われ、農林水産業の未来をも根底から揺るがす事態となっています。そして、何よりも子どもたちのいのちへの不安と恐怖が深刻化し、かつて経験したことのない甚大な核災害の様相を呈しています。昨年末に政府は事故の収束宣言を行いましたが、未だ原子炉内部の状況も不明であり、放射性物質の拡散は食い止められず、除染の目処もつかない厳しい状況が続いています。

大地震にいつ襲われるとも知れない狭い日本の国土に54基もの原発が作られ、電力供給を原子力発電に依存する生活を私たちは営んで来ました。一旦、大事故が起これば、生きとし生けるものすべてのいのちを奪う深刻な放射線被曝によって、取り返しのつかない事態となる危険性のあることに目を伏せ、日本の原発は安全であり、原発なしでは電力の安定供給ができないという、いわゆる「安全神話」と「必要神話」を安易に信じ込み、エネルギーと物の大量消費を限りなく続けていくことが「豊かさ」であると私たちは思い込んで来たのです。

原発の危険性を電力の大消費地である大都市から離れた立地地域に押しつけ、また、放射線被曝の危険に絶えずさらされている原発作業員、ことに社会的に弱い立場に置かれた下請け労働者の問題にも目をそらして来ました。さらには、原発を運転し続けることで必然的に発生し、半減期が何万年にも及ぶものさえある膨大な放射性廃棄物を安全に管理することは、人間の能力を遥かに超えています。

この度の事故によって、原子力発電を続けるなら、現在のみならず未来のいのちをも脅かす放射線被曝を避け得ないことが明らかになった今、原発に依存しない社会の実現が何よりも急がれています。すべてのいのちを摂めとって捨てない仏の本願を仰いで生きんとする私たちは、仏智によって照らし出される無明の闇と事故の厳しい現実から目をそらしてはなりません。そして、私たちの豊かさの内実を見直すと同時に、国策として推進される原子力発電を傍観者的に受け容れてきた私たちの社会と国家の在り方を問い返し、すべての原発の運転停止と廃炉を通して、原子力発電に依存しない社会の実現に向け、歩みを進めることをここに表明し、決議といたします。

 

 

 

2012年2月27日

真宗大谷派宗議会一同

 

 

 

東日本大震災に関し、継続的な支援施策を求める建議

 

 

広い範囲に激甚な被害をもたらした東日本大震災は、発生以来、一年を迎えようとしています。被災地では復興へ向けて懸命の努力が重ねられていますが、被害の規模があまりにも大きく、様々な問題から、その進捗は順調であるとはとても言えません。中でも、東京電力福島第一原子力発電所の事故では、広い範囲に渡って放射能汚染が拡がり、汚染の激しい地域では今後長期間、居住すらもできない状況が続くと思われます。

大震災の発生以来、大谷派宗門は、宗祖御遠忌の第一期法要を被災者支援のつどいとしてお勤めし、全国から寄せられた救援金や支援物資を被災教区・関係自治体等に届けるなどして支援を行ってきました。この間、多くの教区から有志によるボランティア活動も盛んに行われ、被災地に派遣された宗務役員は延べ440人に達しました。また、福島原発関係では被災地からの要請に基づき、放射線被曝からの子どもたちの一時避難として、北海道教区の青少年研修センター及び高田教区の池の平青少年センターなどが施設の提供を行い、宗門としてその経費の助成を行いました。本臨宗にも、食品の放射能汚染を測定する機器購入や北海道教区と望洋大谷学園で実施予定の一時避難経費などが盛り込まれた2011年度補正予算が当局より提案されています。

しかしながら、東日本大震災のもたらした災禍からの復興への道は険しく長く、ことに原発事故による被災については、放射性物質の除染に相当な年数を要し、その間、被災地では放射線被曝に怯えながら生活せざるを得ません。その意味でも、宗門が行う支援は単発的なもので終わることなく、息長く継続的になされていくことが強く望まれています。宗議会に身を置く私たちは、真宗大谷派に相応しい支援のあり方を学び問い続け、それが有効なものとして実施されることに力を注いでいく決意であります。当局におかれても、2012年度以降、一定の予算を確保し、より実効性のある支援施策を継続していただくよう、ここに建議するものであります。最後に、宗門各位におかれても、震災被災地に思いを馳せ、継続的な支援を行っていくためのご協力を心よりお願い申し上げます。

 

 

2012年2月27日

真宗大谷派宗議会一同

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