6月5日、真宗大谷派宗議会本会議において、橋下大阪市長の慰安婦に関する発言に対して、解放運動推進本部長による見解を表明しました。
6月5日、真宗大谷派宗議会本会議において、橋下大阪市長の慰安婦に関する発言に対して、解放運動推進本部長による見解を表明しました。
橋下大阪市長の慰安婦に関する発言に対する見解
橋下大阪市長は、5月1日の沖縄の基地視察の際に、「海兵隊の性的エネルギーを解消するためにもっと風俗業を活用してほしい」、5月13日には「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」などと発言しました。
そして、5月26日に「風俗業の活用」を勧めた発言については、「アメリカ軍のみならずアメリカ国民を侮辱することにも繋がる不適切な表現だった。撤回するとともにお詫び申し上げる」としましたが、これらの発言は、女性の人権を無視し、女性を性の道具として扱う差別発言であります。すべての女性を冒瀆し、そしてまた同時に男性をも軽蔑した発言であり断じて許せません。
このたびの橋下大阪市長の言動は明らかに被害女性をさらに傷つけ、苦しめるものであり、そしてまた戦争遂行のために必要だったとするのは、人権無視の考え方だと断言せざるを得ず、人間の尊厳を傷つけ、“いのち”の尊さを奪い、踏みにじる表現であると思います。
誠に痛ましく、悲しむべきこの言動を自らの課題として受け止め、あらためて問い返すならば、歴史的・社会的な存在である私たちの一人ひとりのうえに、かけがえのない人生の意義と尊さが発見されるよう、様々な差別問題の課題共有に取り組む歩みを進めてまいる所存であります。
2013年6月5日
真宗大谷派(東本願寺)解放運動推進本部長 奥林 曉