3月28日の大阪高裁による関西電力高浜原子力発電所3、4号機運転差止判決を取り消す決定、また同月30日の広島地裁による四国電力伊方原子力発電所3号機の運転停止の申し立てを退ける判決に対して、真宗大谷派は強く遺憾の意を表明いたします。
私たちは、2011年の福島第一原子力発電所事故以来、生きとし生けるもののいのちを脅かすことなく、さらに未来を生きる子どもたちのためにも、一刻も早く原子力発電に依存しない社会の実現を目指してきました。
このたびの再稼働への動きは、この事故の教訓を無視し、いのちを支える大地を奪っていくものであり、未来のいのちへの責任を放擲する行為であると思えてなりません。
事故から6年経った今なお、福島第一原子力発電所の事故は収束しておりません。多数の苦しんでおられる方々がある中で、人のいのちを何よりも優先するのならば、一旦停止した原子力発電所を再稼働する理由はないはずであります。
真宗大谷派は、すべての原子力発電所が決して再稼働することのない、原子力発電に依存しない社会の実現を念願するものであります。
2017年4月2日
真宗大谷派(東本願寺)宗務総長 但 馬 弘