2022年3月3日、全国水平社創立100周年を迎えたことを受けて、同日付で宗務総長コメントを発表しましたのでお知らせします。
全国水平社創立100周年によせて
このたび、全国水平社が創立から100周年を迎えられたことに、甚深の敬意を表します。同時にその歴史の重さは、私どもにとって誠に慚愧すべき年月であると受けとめております。
憶えば、真宗大谷派は、全国水平社の創立以来、被差別部落のご門徒から、教団の差別土壌、次々に惹き起こす差別事件などに対して、問題提起や厳しい糾弾を受けてまいりました。それはまさしく、本願寺教団との深いつながりを基底にした、「親鸞に帰れ」との悲痛な叫びと深い願いでありました。
とりわけ、『観無量寿経』における「是旃陀羅」の問題は、あらためて教団に属する私たち一人ひとりの信心を問い返す大変重要な提起として、まずは教団内における課題共有を徹底すべく、今現に取り組みを進めております。また、現時点における宗派としての受け止めについて、近日中に問題提起をいただいている部落解放同盟広島県連合会にご報告にあがらせていただくことも予定しております。いずれにしましても、現に「痛みを感ずる」との声を上げられている方々との対話を通し、歩むべき方向性を見定めてまいる所存であります。
あらためまして、「同朋社会の顕現」を存立の意義と掲げる教団として、あらゆる差別からの真の人間解放を願い、これからも不断の取り組みを継続してまいります。
2022年3月3日
真宗大谷派宗務総長 木越 渉