今年12月5日にネバダ州で実施された「未臨界核実験」は、米国が掲げた「核兵器のない世界」への期待を裏切るばかりでなく、核兵器の全廃に取り組む国際社会の流れに逆行するものであります。
私たちの国は、米国による広島・長崎の原爆投下、さらに昨年の東京電力福島第一原子力発電所事故による放射線被曝により、核・放射能を利用する限り、現在のみならず未来のいのちをも脅かし奪っていくことを経験しております。
私たちは、仏教の教えに生きる者として、地球上のあらゆるいのちの平和と共存のために、今後すべての核実験を中止し、率先して核兵器廃絶に取り組むことを米国に強く要請いたします。
2012年12月11日
真宗大谷派宗務総長 里雄 康意