さる12月6日に、第185回臨時国会における「特定秘密の保護に関する法律」の成立に対し、宗務総長名によるコメントを発表しました。
第185回臨時国会における「特定秘密の保護に関する法律」の成立についての宗務総長コメント
さる12月6日に成立した「特定秘密の保護に関する法律」及び同法律の可決成立に至る国会審議のあり方に、強く遺憾の意を表します。
この法律に関しては、その審議過程において、日本弁護士連合会をはじめ数多くの有識者、団体や市民が、廃案や慎重審議を求め、また、海外からもその危険性を指摘する疑念の声が多く寄せられておりました。私も、真宗大谷派を代表するものとして、廃案を求める「要望書」を安倍晋三内閣総理大臣へ提出いたしました。
この法律は、私たちの「知る権利」や「表現の自由」を大きく損ない、人の言動を委縮させる危険性をもっており、このたびの審議のあり方からしても、国民が国に対する不信や不安の中に暮らさねばならない社会が生み出されるのではないかと深く憂慮するものであります。そのような社会に、人間の真の豊かさや安らぎはありません。
一切衆生が救われていく阿弥陀仏の仏国土を願いとする浄土真宗の門徒として、同法律が悪用されることのないよう注視するとともに、一日も早い法律の廃止を強く望みます。
2013年12月7日
真宗大谷派 宗務総長 里 雄 康 意