私たち真宗大谷派(東本願寺)は、このたび関西電力美浜原子力発電所が再稼働したことに対して強く遺憾の意を表明いたします。
東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故では、深刻な放射能汚染によって、多くの方々のかけがえのない故郷が失われました。その事故から10年が経過しましたが、未だ事故処理は進まず、放射性廃棄物を保管する設備の劣化による放射性物質漏洩の危険性が指摘されています。
さらに、このたび稼働して40年を超える美浜原発3号機を例外的に再稼働させるなど、国としてのエネルギー政策において、再び原発への依存を強めていく動きが露わになってきています。
このような動きは、あらゆるいのちを支える大地を放射能によって汚(けが)し、今のみならず、未来にわたって生きる場所を奪うことになるのではないかと危惧いたします。
真宗大谷派は、原子力発電に依存し続けようとする人間の傲慢さや核利用をめぐる未来への無責任なあり方を直視し、原子力発電に依存しない社会の実現を切に願うものであります。
2021年7月12日