帰敬式

帰敬式ききょうしきとは

帰敬式は、「おかみそり」とも言われ、「仏」「法」「僧」の三宝に帰依し、宗祖親鸞聖人が明らかにされた「教え」に自らの人生を問いたずね、真宗門徒として新たな人生を歩み出すことを誓う大切な儀式です。
受式されますと、仏弟子としての名告り(名前)である「法名」(釋○○あるいは釋尼○○)が授与されます。ともすると、法名は「亡くなってからいただければよい」と思われる方もあるようです。しかし「帰敬式」は、お釈迦さま(仏陀)の弟子(仏弟子)になることであり、法名は、南無阿弥陀仏の教えにみちびかれ、仏道を歩む者となった新たな名告りです。したがって、生きている「今」受式することに、帰敬式の本来的意味があります。
真宗の伝統のなかにこの身を受けた一人ひとりの、人生の新たなスタートとして、「帰敬式」を受けましょう。

真宗本廟での帰敬式

真宗本廟(東本願寺)では、基本的に毎日、御影堂において、午前と午後の2回執行しています。

別院、寺院で受式を希望される方は、直接別院やお手次のお寺へお尋ねください。

よくあるご質問

Q.仏弟子って何ですか?
お釈迦さま(仏陀)の弟子ということであり、その仏陀の教えを依りどころとして生きる者を仏弟子といいます。
Q.帰敬式はどういうことをするのですか?
帰敬式は、昔から「おかみそり」とか「おこうぞり」という名でも呼ばれています。ご本尊の前で「三帰依文」を唱和し、執行者から剃刀が3度、頭にあてられます。実際に髪を剃ることはありませんが、髪をおとすことをかたどった儀式です。
Q.三帰依文さんきえもんって何ですか?
三帰依文は、真実に目覚められた「仏」と、その仏が説かれた教え「法」、そしてその仏の説かれた法に生きる人々の集まり「僧(さんが)」の3つを「三宝」といい、そのことを大切な宝もの・依りどころとして生きていくことをご本尊の前で誓い、確かめるものです。
Q.「髪をおとす」ってどういうことですか?
お聖教の中で「勝他・利養・名聞の3つのもとどり、髪をそりすてる」ということが伝えられています。人を軽んじ、財産や名誉にこだわる私たちに、仏さまの教えを依りどころとして生きる者となることを「髪をおとす」ことで表現しています。
Q.受式後は、どんな生活をしたらいいのですか?
仏の教えを生きる依りどころとする誓いを立てたわけですから、ご本尊を安置し「お内仏」の前に常に身をおくことが大切です。朝夕に「正信偈」をお勤めし、お念仏を申すよう心がけてください。
また、お手次ぎのお寺の報恩講をはじめとする法要や様々な聞法の場に足を運んでいただきたいと思います。
Q.法名って何ですか?
私たちの名前は、親の願いがかけられて名づけられたものです。一方、帰敬式を受けると「釋」又は「釋尼」の字が冠せられた二字の法名を賜ります。これは仏さまからの願いがかけられた名前といってもいいでしょう。仏さまの願いに出遇い、三宝に帰依して生きる者の名告りが法名です。
法名は、伝統に則り男性には「釋〇〇」、女性には「釋尼○○」の法名を基本として授与されますが、受式される方の願い出に応じて「釋」あるいは「釋尼」を選択できます(選択事由は問いません)。
Q.法名はどうやってつけていただくのですか?
「法名」には、真宗本廟(東本願寺)で選定された法名(本山選定法名)とお手次ぎのお寺の住職につけていただく法名(住職選定法名)があります。帰敬式を受けようとされる際には、事前に住職にご相談ください。
Q.帰敬式はどこで受けることができるのですか?
帰敬式は、真宗本廟(東本願寺)で受式できます。基本的に毎日、午前と午後にそれぞれ一度ずつ行われます。
また、全国の別院やお手次ぎのお寺で受式することができます。お手次ぎのお寺や別院・教務所にお尋ねください。
Q.帰敬式を受ける時にどんなことに気をつければいいですか?
できる限り正装を心がけ、必ず念珠を持参してください。また、帰敬式で用いる略肩衣と勤行本は、受式時に受式される皆さまにお渡しします。
Q.信仰上の理由で、法名(法名紙)を返したいのですが?

可能です。まずはお手次ぎのお寺の住職にご相談ください。

法名(法名紙)を返すにあたり、手続きは必要ですか?

必要ありません。ただし、本山で管理している「帰敬式受式者名簿」からの削除を希望される場合、お手次ぎのお寺を通しての手続きが必要です。お手次のお寺の住職(教会主管者・代務者)にご相談ください。

住職への相談が難しい場合は、帰敬式相談窓口(研修部 帰敬式実践運動推進事務室)までお問い合わせください。
電話:075-371-9185(平日 9:00~16:00)

帰敬式の受式は、信教の自由により保障された宗教行為であります。
受式に至るまでに強制やネグレクト等の児童虐待に相当するケースがないよう、十分にご留意ください。